ガイアの夜明け 「国産mRNAワクチン、ファイザーとモデルナを超える?」

ガイアの夜明け【ワクチンの真実3 独占取材!“国産開発”の全貌】

2021年12月17日放送  テレビ東京
松下奈緒

日本の製薬企業である第一三共が国産のmRNAワクチンを開発していることが初めて明らかにされました。
mRNAワクチンは現在、世界で最も使用されているワクチンの一つです。
このワクチンは、コロナウイルスのスパイクタンパク質の設計図である伝令RNAを用いて、人の体内で害のないスパイクタンパク質を作り出し、それに対する抗体を形成する仕組みです。

第一三共の研究施設では、このmRNAワクチンの原液が赤い粒として保管されており、これが一つ一つウイルスから守る役割を果たしています。
眞鍋社長は、第一三共ファイザーやモデルナに遅れている理由について、感染症パンデミックに対する危機意識が日本国内や製薬企業で十分ではなかったことを指摘しています。
実際、過去にMERSウイルスが流行した際にも、第一三共は東大と共同でmRNAワクチンの開発を行っていたが、感染症が収束し、国からの援助も得られなくなったため、その開発を中止せざるを得なかったとのことです。

さらに、眞鍋社長は、ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンは超低温での輸送や保管が必要であり、これが医療関係者の負担となっていたことを指摘しています。
そのため、第一三共では、通常のワクチンと同じ温度帯での取り扱いが可能なワクチンを目指しているそうです。
第一三共のmRNAワクチンの開発は、今年3月から第1/2相の治験が開始され、11月下旬には福岡市のクリニックで第2相の治験が行われました。

この治験では被験者に重篤な反応はなく終了しましたが、オミクロン株の出現により最終治験に大きな影響が出ており、海外での実施が不透明となっています。
この情報を知ることで、日本においても自国製のmRNAワクチンが開発されていることに期待を抱くと同時に、開発の進捗には様々な困難があることを理解する必要があります。
国内でのワクチン開発の促進や、感染症への対策強化に対する関心が高まることを願っています。